ざわつく店内は、段々と夕飯時の客で埋まりつつある。
 うちの学校の生徒も何人か。大学生とか専門学生のような人たちも居る。

「ごめん、からかったわけじゃないんだけど」

 梓だ。あたしは、少しびっくりして梓を見た。

「なんていうか、恋愛してっとさ、毎日バラ色だからさ。ちょっと晃ってつまんなさそうにしてんじゃん? だから」

 ちょっと照れながら、梓が言う。
 親切っていうか、余計なお世話っていうか。こういうとこ、好きなんだよな。

「大丈夫だよ、つまんなくなんかないよ」

「そっか」

 もしも万が一、中尾先輩から何か言われたら真っ先に相談するし、そう思った。

「なんかあったら、相談する」

 あたしは、眉間に皺を寄せている2人に言った。