あたしはどこか頭の隅で廉の言葉を考える。



廉は勝手だ。縛られたくない癖にあたしを縛ろうとする。
子供じみた独占欲に、違う何かがあるかなんて言われても分からない。



……なのに嫌じゃないなんて、おかしい。




「…廉しか知らないって知ってたの?」





あたしは真っ直ぐ廉を捉えたまま、ゆっくりと言葉を選ぶ。今となってはどーだっていい疑問文も、今聞いておかないともう二度と口にする事はないから。



廉は口の端だけ上げてゆっくり笑った。



「俺、誰だと思ってんの?」