「れんくん、行こぅ」


雪乃ちゃんはにっこりと微笑んで廉を見つめる。

あたしもその視線の動きに奪われて思わず、廉を見つめた。



廉は、掴めない表情で黙り込んでいた。こーゆう顔が妙に独特で、綺麗な男ってゆうのはこれだけで特してると思う。





「…れんくん?」



廉の名前を呼んでいるのに響きが甘過ぎて、違う誰かみたいだとぼんやり思う。雪乃ちゃんの長い髪が揺れて、廉を覗き込む姿にあたしは思わず見とれて、廉が何て言ったかなんて聞き逃していた。






「雪乃ちゃん?俺茜ちゃんに話あるから先に行っててね♪」




そう、まるで、当たり前の口調過ぎて。