「この大学に固執してねーなら、同じ路線でランク上げても問題ないけど?」

「そうですか」

あたしは先生に出された資料をチラリと眺めて平坦に息をつく。一応パンフレットを預かって「考えときます」なんていうあたしはやっぱり適当だ。


「とにかく、今の調子でガンバレ」


先生の雰囲気に呑まれそうな個室で、先生は抑揚のつけない声をあっさり放つ。


この人は、告白なんかされても「そうか、ガンバレ」なんて言いそう。



動じない男。



だから、やばすぎだって。




「それで、この間の話は考えてくれました?」




あたしは先生のやっぱりエロい指先を見つめながら、視線をゆっくりとあげた。