二度目の進路指導室の前。
あたしは、深く深呼吸をしてから戸をノックした。
「どーぞ」
先生の低い声。
あたしは高鳴る鼓動の意味も知らぬまま、先生の目の前に腰を下ろす。ニコリと微笑んで、先生の大人の目なんか気にしない様に。
当たり障りのない、というより当たり前の進路の話に前回の実力テストの結果について、さくさくと先生の話に頷く。
「…っつー事で、このままなら第一志望で確実」
プリントに落としていた視線をあたしに向けて先生は相変わらず感情の篭らない笑顔を作った。
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