『…ガキ』


先生は愉しそうに笑ってから、あたしの腕をグイッと引く。余裕のある表情が苦い。



耳元に吐息がかかってそれだけで身体の温度が上がった気がした。




『ガキの我が儘に付き合う程暇じゃねー』



ニッと笑った口元が悪戯っぽくて、声の甘さよりも大人の目線に、『対象外』とはっきり言われた。


あたしは至近距離に絡んだ視線と、吐息のかかる唇に、笑う。



『約束、しないと大声出しますよ?』



それから、先生の唇を塞いだ。