「茜ちゃん♪なーに難しい顔してんの?」


脳天気で甘い声。



何もない部屋のシングルベッドの上で、窓を背にしながら、サラサラの茶髪を光に透かせて笑う男。


「…別に」


あたしは枕に突っ伏してその笑顔から顔を逸らした。



「はい、出ましたー、茜ちゃん必殺『別に』!!」

ケタケタ笑いながら、あたしをからかう口調は不愉快なものじゃなくて、その雰囲気が好きだったりする。



昼間から学校をサボって、身体を重ねるのが、今のあたしのリアル。