「どういうことだ」








「あなた達は存在すべき組織ではない」








男は勢いよく立ちあがった。











「なめるな、小娘が…。
私が嘘を見破れないと思っているのか」











部屋でどなり声が響いた。










私は驚かなかった。









結果は見えていた。









「あなた達は誕生してから現在に至るまでに様々な歴史を歩んだ。
いつしか穏健派と過激派に分かれ、活動を活発化させ、世界を動かそうとした」














「それがどうした…」
















「今の『W』は昔の理念を忘れている。
あなた達『W』はもう理性を失っている」















アカネのお父さんは下を向き、座ってしまった。



















「歴史から独立しなければ、あなた達『W』はこれ以上の効果も…
成長もできない」












アカネのお父さんは顔を上げた。











「それが君の答えか」












「はい」















「無限の可能性の中から最適な結果がそれか…」















男は近くに置いてある机の引き出しの中から資料を一部出した。


















部屋に置かれた資料は呼んだが、その資料は読んでいない。













男は資料を私に渡した。