蓮は……首を振った。



 …蓮……?




 ここで声が出れば私は蓮の傍に行きお弁当を渡す。




 でも出ない。



 さっさとパンを買い購買から出て行ってしまう蓮。



 私は人込みをわけて蓮に近づこうとする。




 一瞬、目があった蓮。




『待って』


 口パクで必死に伝えるけどすぐに目を逸らして行ってしまった。




 私は人込みの圧力に負けて尻もちをついた。




「あれ…なぁ…優枝ちゃんじゃない?」


 私に話しかけてきた男の人たち。



「俺らと一緒に飯食おうぜ?」


 有無を言わせず手をひっぱられて連れてこられた私がお弁当を食べていた場所。


「ここで誰か食ってたんじゃね?」

「ま、いいじゃん。」





 私のです…。