「・・・・昌也」

昌也は静かに振り返る。
そこには幼馴染の姿があった。


美しくて、かっこよくて、大好きな幼馴染。
昔に別れたっきり姿をみなかった幼馴染。

しかし最近戻ってきた幼馴染。

その姿は前とは違い、凛々しく賢く明るくなっていた。

最初にその姿を見たときは驚いて声が出なかった。

しかし事情があるのならばそれに沿わなければならない。


せめて力になれるように。


「・・・なに?」
「六っていう子・・・本当に興味深いね。」
「いい子だよな」

ふっ、と昌也の顔がゆるんだ。

そのまま昌也は幼馴染を凝視する。


「・・・・・・・なんだよ?」
「いや、本当に変わってるよなぁと思って。」
「俺は女顔ってよく言われるからなー」
「まあ、女顔だからな。」





昌也は静かに前のドアを開けると「帰るぞ」といった。


「相変わらず自分勝手だな」


幼馴染もニッと笑うと教室から出て行った。