「じゃあ、私がその人を好きだった、ってことは、誰か覚えていてくれるのかな」
「……え」
一度伏せた顔を、上げると葉瑠は、真剣な顔でこっちを見ていた。
「…打ち明けていれば、覚えておいてもらえるよ。
気持ちは、見ただけじゃ分からない」
俺はまた顔を伏せ、シャーペンを強く握り直した。
「ねぇ。」
「なんだよ」
「私が一年生の時に送ったクリスマスプレゼント覚えてる?」
「…確か…ブレスレットだったか?」
「そうそう。二年生は?」
「ネックレス」
「…かおってさ、呆れちゃう位鈍感だよね」
「なんでだよ」
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