20XX年1月5日
朝は電車でかんなの地元行ってた。
今まではチャリだったんだけど、途中で迷子になったら困るから最近の移動は全部電車。
「なんで電車なの?」
新年初めがそれかい(笑)
何回か電話はしてたけどさ。
「寒いからね。」
「ぜいたく(笑)」
……確かにお金はかかる。
「でも、珍しいね!琉生がいきなり来るなんて。」
「だって年末年始は会えなかったし?」
年末はかんながばあちゃん家行ってて会えなかったんだよね。
って事で、かんなン家で今年初のぎゅーっとちゅーして来ましたよ。
「ご飯食べていく?」
「いや、昼から貴央の彼女来るからいい。」
ぶっちゃけめんどくさいな〜って思ってたら、いきなりかんなが抱きしめてくれた。
「なに?」
「琉生、かわいい(笑)」
「はぁ?」
「貴央くんに彼女できて寂しいんでしょ!」
にまにま笑うかんな。
なんかむかつくー。
「琉生には私がいるよ」
って、ちゅーしてくれた。
前言撤回。
やっぱり今年もかんなはカワイイ。
自分からしてきたのに照れてるし。
家帰ったら舞香さん達はすでに来てた。
リビングでは貴央と舞香さんとその子供が、テレビ局を見ながらくつろいでた。
俺の家なのに俺が邪魔者みたい。
゙それ゙を考えた瞬間、胸がザワザワしてきて気持ち悪くなってきた。
いや、今手首切るのはマズいって。
―――コンコン
「…っ、はい。」
「私、舞香だけど…。入っていい?」
「……どうぞ。」
貴央と思ってたら舞香さんでビックリした。
「プリン食べるけど、どう?」
「あー…、後で行きます。」
足音が遠くなるのを確認してベットに潜る。
なんか人の家みたいだった。
……じゃあ、俺の家はどこ?
俺の帰るところは?居場所は?
゙無い゙の?
「…っ」
ぎゅっと布団を握る。
もう嫌だ。
なんで貴央が彼女連れてきた位で、こんな思いをしなきゃいけねぇの?
……めんどくせぇ。
こんな自分がめんどくさい。
とりあえずどっか行こう。
万里弥ヒマしてるかな?
最悪、理人でもいいや。
って事でまたアポなしで万里弥ん家(笑)
怒られたけど気にしなーい。
事情話したら頭わしゃわしゃされた。
「お前の居場所はここだっていつも言ってんだろ?」
「うん…。」
「恥ずかしいんだから何回も言わすな、バカ。」
万里弥はいつでも俺の居場所になってくれる。
ここにいて良いんだって教えてくれる。
結局、さっきまでおじゃましてたし。
万里弥には甘えっぱなしだわ。
ごめん。