20XX年12月15日


昨日、親父に首絞められた。

「お前のせいで美里が出て行った。」

「お前なんていなければ。」

「お前なんて死ねばいいのに。」

それならいっそ殺しちゃえば良いじゃん。

首絞められて、息出来なくて苦しくて、視界ぼやけてきて、死ぬかもーって時に止めんの。

さんざん死ね死ね言ってんだから、殺せよまじで。

逆に苦しいよ。

んで、朝起きたら首にくっきり手形の痣ついてんの。

シャツの第一ボタンまで締めたら、首絞められてる時の感じ思い出して気持ち悪かった。

ゆるーくマフラー巻いてごまかした。

一時間目はおばちゃん先生だから何も言われなくて、二時間目は若い女教師だから風邪気味で〜って言ったら見逃してくれた。

問題は三時間目の仲出の授業。

「おい、柴崎。マフラー外せ。」

「ちょっと風邪気味で……。」

「風邪引いてる奴なんて他にもいるだろ。」

そんな感じで言い合ってたら、無理やりマフラー取られた。

首の痕見てみんなどん引き。

仲出ですら固まってるし。

あまりの気まずさに思わず教室飛び出しちゃったよ。

四階渡り廊下の柵から身乗り出してたら、万里弥に思いっきり腕引かれた。

ビックリして心臓止まるかと思った(笑)

「バカ、なに考えてんだよ!!!」

ちょっとこの人、俺がショックのあまりに自殺すると思ってますよww

「なにも考えてねぇよー。」

なぁ、万里弥。

俺はそんなに死にそうか?

悲しい苦しい辛い死にたい。

だけど死にたくない。

もっと、生きたい。


何か分かんないけど、万里弥にぎゅーっと抱きしめられた。

「………それ親父さん?」

「そだよ。」

ジワジワと昨日の恐怖がよみがえってくる。

「殺されると思った。」

「うん……。」

貴央も美里も誰もいない。

誰も助けてくれない。

「死ぬかと思った。」

「うん…………。」

「怖かった……。」

過呼吸なりかけたけど、万里弥が頭撫でてくれたら落ち着いた。

「無理すんなよ?」

「大丈夫。」

「いつでも泊まりに来て良いからな。」

「さんきゅ。」

教室戻ったらめちゃくちゃ視線痛かった。

優奈がマフラー持ってきてくれて、ずっと巻いてた。

テスト終わったから四時間しかねぇし、気持ち的にもしんどかったから部活休んで帰った。