20XX年12月2日


朝、美里出て行った。

貴央と駅まで送りにいった。

「すぐ迎えに来るからね。」

「うん。でも無理はしなくて良いから。」

「……琉生、ごめんね。」

「なんで(笑)」

「本当はずっとここに居たいでしょ?」

「…………。」

これには苦笑いするしかなかった。

病気のこともあるし仕方ない。

全部受け入れられるほど大人じゃない。

でも、嫌だって泣きわめくまで子供じゃないよ。

「貴央も琉生も体には気をつけてね。」

「分かってるよ。」

「琉生は俺が守るから心配しないで。」

「ふふ、貴央が守ってくれるなら安心ね。」

ふんわりと笑った美里。

俺のいちばん好きな笑顔。

が、だんだん歪んでいく。

「もー、泣くなよ。」

「だって〜……」

人前なのに泣きながら抱きついてくるし。

美里って見た目若いから誤解されそう(笑)


その後、暇だったからギター担いで万里弥ん家行った。

今日に限って部活休みなんだよ。

アポなしだから居るか心配だったから家の前で電話しといた。

『もしもs』

「私メリーさん。今あなたの家の前にいるの。」

『は?』

二階の窓から万里弥が顔を出した。

前髪あげてるスウェット姿の万里弥なんてレアだなー。

クラスの女子に自慢したい(笑)

「万里弥ちゃん。」

「……なにしてんの?」

会いたくなった。って言ったら家に入れてくれた。

「公園かどっか行こー。」

「え、家で良いじゃん。」

「ギター弾いていい?」

「着替えるからちょっと待って。」

万里弥着替えて公園へゴー。

「親、離婚した。」

「そっか…。琉生はどうなんの?」

「美里…じゃなくて、母親についてく。」

「どっか行くのか?」

「んー、貴央の仕事もあるし、出来るだけ近くで家探すって。美里は実家帰ったけど、俺は新居決まるまでここにいる。」

「転校したりしねぇよな?」

「さぁ?でも、部活引退するまでは今の学校通うよ。」

俺の病気がもてばの話だけど。

「じゃあ、良いか。」

良いんかい(笑)

後はギター弾いてた。

こう見えて中学の時は軽音部でした。

「上手いじゃん。ギターだったわけ?」

「ううん、ボーカル。ギターはシュミみたいなもん。」

「シュミがギターとか格好いいな。」

万里弥に言われるとむだに嬉しい。

でも、しばらく触ってなかったから下手くそなってた。

テスト期間中で部活無いし、練習しよー。