20XX年11月25日


シューティングして、教室行く途中に生徒指導の仲出に髪の毛掴まれた。

いきなりの事に俺も万里弥もビックリ。

めっちゃ注目されてるし。

「おい、柴崎。なんだこの頭は。黒染めして来いっつっただろ。」

痛い痛い痛い!

髪の毛を引っ張んないで。

「地毛ですけど。」

「だから、関係ねぇって昨日言っただろうが。」

俺、実はクオーターなんだ。

美里がハーフでばあちゃんがロシア人。

だから、地で色白だし髪も金髪っぽいワケなんですが……。

それが原因で先輩や教師には目ぇ付けられやすい。

地毛なんだから仕方ねぇじゃん。

昨日、黒染めして来いって注意されたみたいなんだけど忘れてた。

しかも、俺だけ怒ればいいのに仲出のヤツ、隣にいた万里弥にまで怒鳴んの。

「お前キャプテンだろ。」

「そうですけど……。」

「規則も守れないこんな奴は辞めさせろ。」

うわー、何か泣きそう。

俺、バスケ部辞めた方がいいの?

「そんな事で琉生を捨てれません。」

そう言って腕引っ張ってってくれた。

「ごめんな、万里弥……。」

「なにが?」

「迷惑かけて。俺じゃま?」

仲出に目ェつけられてるから、しょっちゅう怒られるし。

けっこう学校休むし、部活も休むし…。

「なに、えらい弱気じゃん。」

笑いながらくしゃくしゃになった髪を整えてくれた。

「………。」

「そんな事でお前を見捨てたりしねぇよ。」

廊下じゃなきゃ飛びついてたわ(笑)

帰りに万里弥と黒染め買ってきた。

黒髪は嫌いだ。

本当の自分を否定されてる気分になる。