「みさき……」

あたしのやせ細ってごつごつしてる

体を隆は優しく抱きしめた。

暖かかった。隆の温もりだった。

「…みさき?頑張ろう」

「……」

「俺、夢叶えるから。だからみさきは

頑張って病気と戦おう。辛くなったら

泣けばいいし苦しくなったら俺に

あたってもいいから。俺がみさきの

支えになるからさ…約束な」

あたしは頷いた。

頷くことしかできなかった。

隆との約束…。

その次の日からあたしはたくさんの

抗がん剤に耐えた。

吐き気は増すし体がだるくてベット

から動けなくなったりまともに隆と

会話ができなくなったりした。

そろそろ限界だったんだと思う。