あたしは泣いちゃいけない気がした。

きっと1番辛いのはお母さんだから。

お母さんはあたしが生まれてすぐに

お父さんを亡くしてる。

あたしと同じ病気でなくしてる。

お母さんが毎日1人で泣いてるのも

あたし知ってる。

…あたしがいなくなったら……


そんなことを考えているともう

お母さんが帰る時間になった。


「また明日来るね」

と言って病室を出て行った。

あたしは1冊のノートを取り出した。

入院してから毎日書いてる。

もうノートは3冊目だった。

このノートだけには本音が書けた。