中学校から帰ってくる。

学校は、友達と話すのが楽しくて、反対に授業はつまらなくて。

――それでも、家よりは何倍もいたい場所だった。



わたしには、家族がいない。



わたしは、毎日夕飯の食材を買って帰る。

家に帰っても誰もいないから。

料理も上手ではない。

ただ、食べられればいいだけなのかもしれない。

毎日がつまらなかった。





ある日、雨が降った。

気がめいったわたしは、家の中をなんとなく探ってみた。

そこでわたしは、まだ入ったことがない部屋を見つけた。

どうして入ったことがないのか、憶えていない。

誰もいないから誰にも遠慮する必要がないのに。



中に入る。

暗くてよく見えない。

だから、電気を点けた。



――そこには、本棚と一台のデスクと大量のノートがあるだけだった。

どうしてこんなに大量のノートがあるんだろう。

ノートは積まれ、また一部は散乱していた。

よくわからない。

わたしはデスクを見てみた。

そこには一枚の紙が乗っているだけだった。



それを、見る。