わたしたちは場所を変え、リビングにいる。
リビングなのに、わたしはほとんどいることがなかった場所。
「落ち着いた?」
宮辺さんはいつもの笑顔のまま言った。
「はい……」
わたしは複雑な気持ちだった。
だけど宮辺さんが笑ってくれる。
だから、きっとわたしは笑えばいいのだと思った。
「まずどこから話そうか。と言ってもボクも全部知っているわけじゃないけど」
どこから。
……わたしは真実を知りたい。
「……宮辺さんのご両親を殺害したのはわたしですよね」
わたしは詳しく憶えていない。
宮辺さんなら憶えているだろうか。
「……それはわからない。ボクが見たのは、倒れたボクの両親と包丁を握ったキミだから」
それでも二人を殺害したのはわたしでほぼ間違いないだろう。
「それでキミと心中を図ったキミの両親は亡くなられ、傷が浅かったキミは生き残った」
ただそれだけ、と宮辺さんは言った。
「誰にも罪なんてない、もしくは罪だらけなんだ。もちろんキミの両親をボクの両親がいびっていたのは事実だから」
あの日記は事実だろう。