「宮辺さんのご両親を殺して、宮辺さんに迷惑をかけて!!わたし……どうしたら償えますか。どうやって償えばいいんですか!!」

宮辺さん、答えてください。

「どうしたらわたしの罪は許されますか!!」

宮辺さんは息を飲む。

……宮辺さんはひどく落ち着いていた。

「……何もしなくていいよ」

『何もしなくていいよ』?

何も?

そんなわけがない。

それでわたしは許されない。

「……どうすればわたしは許されますか」

わたしはその言葉を繰り返す。

「どうすればわたしは許されますか!!」

「何もしなくていいんだ」

「そんなことありません!どうすればわたしは許されますか!!謝ればいいですか土下座すればいいですかそれだけで許されますか許されませんよねどうすればいいですか死ねばいいですか同じ苦しみを味わって死ねばいいですか死ねばいいですねナイフがありました宮辺さんの両親を殺したナイフがありましたちょうどいいですこれで死ねばいいですね宮辺さん刺しますかいいえ宮辺さんの手を煩わせなくてもわたしが自分で死ねばいいで」

乾いた音。



わたしは左頬を叩かれていた。





「……気が済んだ?」