「そうだよ……。わたしがみんな殺したんだ」

忘れていた。

「わたしが殺した。……わたしのお母さんもお父さんも宮辺さんのご両親もみんなみんな全部全部ぜんぶ殺したころしたコロシタ!!」

わたしの罪。

それがどこまでも届くように、わたしは叫ぶ。

全部わたしが悪いんだ。

わたしがみんな殺した。



「か、カナコちゃん……!?」

あ、宮辺さん。

宮辺さん、聞いてください。

「わたし、思い出したんですよ」

その手触りを。

「わたしがみんな殺したんです」

血の乾いた包丁をなでる。

「あはは、わたし酷いですか?わたしがみんなみんな殺したんですよ。わたしがわたしがわたしが!」

宮辺さんと目が合う。

いつもの笑顔。

それは……まるで異物を見るような目。

そうですよね。

わたしがみんな殺したんですから。

ああ。





「カナコちゃん……」

「……わたし、どうしたら……」

宮辺さん。

「……どうしたら償えますか……!?」