『…誰??』
俺はか細い声で応えた。
『太朗いるか??俺、泰輔だ。』
『あっ!!泰輔か。入れよ。』
急いで涙を拭った。

『太朗、大丈夫か??』
泰輔は、ドアから少し顔を出して言った。
『あ、あぁ。それよりお前こそ大丈夫なん。顔こけてるやん。』
そう聞くと、泰輔は俺の隣に座ってこう言った。
『ん~まぁ。最近、寝てなくてさ。目つぶるだけで、愛美の顔が出てくるんだ。』
『俺もそうなんよ。まだ信じられずに泣いてる自分がいるんや。』
『ホント、信じられないよ。愛美がいない生活なんて。』

俺らはしばらく、沈黙になった。そしてまた、自然と涙が出てきた。