―――それは、突然の出来事だった…。
「第一学年、ライト・シルフィー!!」
だだっ広い講堂に、鋭く低い男性教員の声が響いた。
ざわめく生徒達。
皆が一斉に声のした方へと振り向いた。
その人物は、講堂の、威圧感たっぷりの木製の巨大な扉を押し開け、今丁度講堂に入って来たようだった。
俺はその男性教員に、確かに見覚えがあった―。
あ……校内案内してた、薄紫の髪の男……。
俺に、何の用だ?
しかも、今、朝礼の最中だぞ?
あいつ、頭大丈夫か……?
「……フィル先生、どうなされたのですか?」
講堂の舞台の上で、新入生への挨拶をしていた生徒会会長が、とても驚いた表情で言った。
あぁ……フィルか。
こいつの名前……。忘れてたわ。
出会った時のあのにこやかな笑顔からは想像できない程厳しい表情のフィル先生が、こっちに向かって歩いて来る。
眉間にシワを寄せ、鋭く睨み付けるような眼光で、俺を見つける。
「ライト・シルフィー、ちょっといいか?」
まじかよ……。
「…俺は大丈夫ですけど……、」