それからの授業は、ほんとにつまらなかった。
いつもならあたしの隣の席に、拓斗くんの笑顔があるのに。
楽しくしゃべりかけてくれるのに。
今日はいないってわかってても
つい隣を見てしまうあたしって、拓斗くん依存症?
でも、それくらい心にぽっかり穴が開いた気がした。
今日だけ・・・今日だけ・・・
呪文のように、何回も心の中で言う。
そんなつまらない学校は、いつの間にか終わってて。
クラスのみんなが次々と帰っていく。
みんなが帰る準備をしている中、あたしはただ一人教室で呆然と立ち尽くしていた。
・・・とうとう来てしまった・・・
先輩たちのところへ、行かないといけない。
さっきまで隠していた恐怖心が、一気に襲ってくる。