「…モモ、お前、一体これで何度目だよ?」


その手から空き缶を奪って、代わりに水の入ったグラスを握らせて。

俺は百花(モモカ)の向かいに座った。


「……お酒は?ご飯は?」


口を尖らせて、不満気に俺を睨んできたけど……無視。

その瞳をじっと見つめながら続けた。


「フるのもフラれるのも勝手だけどさ、その度に俺を巻き込むのはやめてくんない?」


まるで、子供に説教する父親みたいだ。


「だって……」

「こっちはいい迷惑だよ。深夜、酔っぱらった上に酒持参で来るなんて…」


……そう。

コイツは、ここに来たときすでに“飲んでいた”。

十分酔っていたにも関わらず、手には酒の入ったコンビニ袋。

さっき文句をつけていたチューハイは、その中にあったやつだったりする。


「せめて、電話の一本くらい入れてから来いよ。つーか、一応女なんだから、こんな時間に1人でフラフラ出歩くなよ。」


諭すように言えば、


「ちゃんと電話したもん!……ドアの前で。」


お得意の逆ギレだ。