「……電話、終わったんだ?」
戻ってきた千歳は、相変わらず寒々しくて……
「うん。」
ぼーっと立ち尽くすその手を引いて、ベッドの中へ引き込んだ。
「冷たいねー。」
「……っ。おい。」
子供を抱え込むみたいに、頭を胸に押し付けてぎゅーっとすれば、案の定、不満気な声を上げて振り払おうとする千歳。
「あったかいでしょ?」
それを制するみたいに、さらに力を込めて抱きしめた。
「ほら。ちーちゃんも。寒いんだから、ぎゅーっとしてよ。」
「………」
「……うん。そんな感じ。」
渋々ながらも回された腕は、完全に“男”のもので。
昔とは全然違うけど。
やっぱり、
ここが一番落ち着く。
「……行かなくていいの?」
「……ん?」
おっと。いけない。
あまりの心地よさに眠っちゃうところだった。
「電話、“男”からじゃないの?」
「へ?」
「別に行っていいよ?そしたら俺もパーティー行くし…「行かない、よ。」
「え?」
「私は行かないし、ちーちゃんも行かせない。“2人で”過ごすんだから。」