「あー…」


そう言えば、隣に誰かいた気がするなぁ。


―-「やっぱり、“また”覚えてないんだ?」

そんな私に、沙織は呆れたようにため息をついた。


―-「百花、毎回そうだもんね。
男の子には目もくれずに、飲むだけ飲んで、姿をくらまして…。そんなに可愛ければ選びたい放題なのに。なんで興味を示さないわけ?そもそも、それで何で“合コン”に参加するの?」


そんなこと言われても……


―-「昨日は特に。クリスマス直前でみんな気合い入ってたのに。あんなことしちゃダメでしょ?」


……お説教?

そのために、こんな時間から電話をかけてきたわけ?

面倒くさいけど、謝っておくか。

さっさと終わらせて、あったかいベッドに戻りたいもん。

ここ……トイレはやっぱり寒いし。


「ごめんね。今度からは…「そういうわけで、今夜はリベンジね!」


私の言葉を遮って、さっきまでとは一転、弾んだ声を出す沙織。


「……は?」

「どうせ、予定なんてないでしょ?場所と時間はねぇ…」

「ちょっと、待ってよ!」