規則正しい寝息と上下する胸。もしやと思って覗き込んでみれば……


「話、終わってないんだけどなぁ。」


案の定、千歳はすでに夢の中。

どおりで、途中から返事どころか相槌すらなくなったわけだよ。

……ま、いいけどさ。


聞いていようがいまいが、私の計画は“絶対”だから。

文句を言おうが反対しようが、最後にはちゃんとつき合ってくれる。


何より、

今日はずっと一緒にいるんだもん。

夜の話は、起きてからすればいい。


「ね?“ちーちゃん”?」


ぐっすり眠る千歳の唇に軽くキスを落とせば、


「……んー?」


一瞬だけ顔を歪めたものの、すぐにまた寝息が聞こえてきた。


「……ふふっ。可愛い」



長い睫毛に綺麗な肌。

色素の薄い柔らかい髪。

女の子みたいに整った顔。

小さい頃から変わらない。


「でも、やっぱり“男の子”なんだよねぇ。」


昔とは違う、すっかり逞しくなった身体に腕を回してくっついて。

私も再び瞼を閉じた。












―――………

――――…………




―――ブーッ。