「…ぉぅ…。すまねぇ…。」


疲れ果てた男の子はハンカチを受けとると

目尻に残っている涙と額の汗をそれで拭いた。

"腹超痛ぇ…"とお腹を擦る奴はやはり美形で、何だか絵になる。


「…お前、名前は?」

落ち着いたのか息の乱れがなくなった男の子が俺に聞いてきた。


「…如月、涼太。」


それだけ言うと奴は考える素振りを見せる。


「如月?…あ、…仁が言ってた奴か!」


、仁?

仁って誰だ?