―…"桜ヶ丘高校"。



正門に堂々と書かれた文字の横を通る1人の青年は


その堂々と書かれた文字よりも堂々と遅刻をしていた。



気だるそうに歩く青年…


―…否、如月 涼太(キサラギ リョウタ)という男は


サラサラと風になびく長めの黒髪、

透き通るよう綺麗な白い肌、切れ長の目には青色の瞳。

筋の通った鼻に薄い唇。


美術館に飾れるような、その美しい容姿。


そんな姿を授業中の教室の窓から見つけた女達はざわつく。