そして、ここに息を切らせているのがもう1人…

(いいか、チャーリー。絶対に女2人には知らせるなよ。)

レッドにそう言われたが、苦しそうな3人を見てチャーリーはじっとそれを見ていられなかった。

「はあっ…はあっ…待ってろよ…3人ともっ…サッキンジャーは5人で…一つ…」

手のひらサイズのクマが動いて走っている、それを他の人に見られないように隠れて走るのはとても大変だ。
でも、チャーリーは走った。
小さい手と小さい足を必死に動かして。


「くそっ!なかなか終わらねぇっ!」

疲れが出てきたレッドの肩にバイキンの攻撃がかする。ひざをついたレッドにブルーがかけよる。

「レッド!!大丈夫か!?」
「バカヤロ…お前までこっちに来たら、グリーンが…」

「うわぁあああっ!」

グリーンの叫び声が聞こえ、慌てて振り向くと、バイキン達がグリーンの周りを取り囲んでいた。

「グリーン!!」

「エタノールシャワー!」

キラキラと輝く光がふりそそぎ、バイキン達の動きが弱くなる。

「大丈夫?グリーン!」
「あ・・・ピンク!?」

ピンクがグリーンの前に立ちはだかる。
その様子を見ていたレッドとブルーの後ろから一匹のバイキンが飛びかかる。

「レッド!ブルー!後ろだ!」
「チャーリー!?」

チャーリーの声と同時だった。

「エタノールスピア!」

イエローのやりがバイキンを貫いた。

「「イエロー!!」」

イエローは黙ったまま2人の手を掴んで立たせると、グリーンとピンクの所に走りだした。

「……」

レッドは引っ張られながら見守っているチャーリーを睨んだ。
弱ったバイキン達をイエローとブルーが倒し、ピンクとグリーンへの道を作る。
サッキンジャーが5人そろった!

「心ウキウキイベントに!」「はしゃいでばかりじゃいられない!」
「おいしい料理を守るため!」「集められた5人の戦士!」
「我ら!消毒戦隊!!」

『サッキンジャー!!』

5人そろったサッキンジャーを見て、チャーリーはほっとした笑顔を見せてその場に座りこんだ。

手をつなぎ、輪になる。
5人の力が1つになる。

『エタノールボンバー!!!』