温泉旅行から帰ってきてからの香澄は
見違えたように調子が良かった


一人暮らしだった香澄は、
次の治療のサイクルまで
実家で療養するのかと思えば…


実家には帰らない、
と言う


そして、
思いもかけないコトを
言い出した


「ね、隼人のこのマンションで
過ごしてもイイ?」



「は? 俺の?」



「うん…」


俺の部屋のソファに並んで
座ってる香澄が
俺の方を向きながら言った


「そ、それ、マジで言ってる?」


「うん…」


そりゃ、香澄と一緒に
この部屋にいられるのは
すげー嬉しい…
嬉しいけど…


俺…


自信ねぇ…