5月 ――――


香澄の化学療法も
落ち着き、

一時退院の許可が出ることになった


「ね、隼人、
どこ、連れてってくれるのぉ?」


香澄のベッドに
俺も、上がりこみ、
一時退院が決まったら
ゆっくりと
2人で出掛けようと、
ドライブマップを広げていた


香澄の背中をすっぽりと
俺の身体で覆い
香澄の肩に俺のアゴをのせ、
真昼の心地よい病室で
まったりと
時の流れを感じていた