「香澄さんっ!」


フェンスに駆け寄り、
彼女の名前を呼ぶ…



「隼人…くん…」



俺の声に振り返り、
そっと、俺の名前を呟く


彼女の瞳は、
真っ赤で、瞼は、
腫れてた


どれだけの涙を流したのか…


「香澄さんっ

そんなトコにいたらダメだよ

俺と、病室、帰ろう…」


彼女を刺激しないよう、
ゆっくりと、
フェンスのこちら側から
声をかける…