教室へつくと、

「植村きたあ〜」
「マジかよ〜」
「キモ〜」

予想した通りの反応だった。

「お前等うるさいなあ。早く座れ」

というと、

「なんだよ、うるせぇなあ」

という、これも予想通りの反応。

(今年で、本当にやめちゃおっかな)

と考えながら教室を見渡すと、

(誰だ?あれ?)

見たことのない生徒が、一番窓側の一番後ろに座っていた。長い茶髪にピアスをし、化粧もバッチリの、どっからみてもギャル的な生徒だった。
何気なく、
「よろしくね。」
と声をかけると
「・・・・・・」
なにも答えず外を向いてしまった。

(まっ、いいか)

教員の言葉を無視するなんて、日常になってる学校だから、特にきにしなかった。