少し頑張り、
イヤミっぽく笑って藤本を見ると
余裕の微笑を返して来た




青戸リルカの言う通り
俺とは、正反対の容姿
線が細くて、少女にも見間ごう
かなりキレイな顔をしている






「 … ほぼそんな感じですね

僕はノストラダムスとはまた違う
提携機関から派遣されたんですけど
予定では、
彼女は僕に、恋をするはずだったんです


彼女の大好きなミュージシャンに
姿がソックリって事でね



―― だが、貴方が現れた 」





「 恋がヤバイとか…

いきなり拉致されて解放されて
ワケわかんないんだけど



…… 俺は一体、何すりゃいいわけ?

実は俺も、誰ぞの生まれ変わりで
あんたに覚醒させて貰い
指一本で魔法も使える、
彼女を護る騎士に早変わりとか? 」




藤本はクスクスと笑う


「 まさか

魔法を手に入れたって点では
彼女の心を手に入れた事で
貴方は地上の神にも、悪魔にもなれる


今日あそこに連れて行かれたのは
その自覚を阿部先生に
持って欲しかったからでしょう 」




「 ……悪いが、青戸の事は振るぞ 」