「 ―― で?
なんでお前が俺の部屋に上がり込んでる?
…青戸リルカ 」
自分の部屋のコタツの上
目の前にあるビールの缶を、握って潰す
「 なにその言い方!!
…朝、全然来ないから、
心配して来てやったんじゃないの!
―― 調味料位、少し買っておきなさいよ〜
材料買って来たってこれじゃ
カンタンな物しか作れないじゃない! 」
「 青戸さん
僕買って来ようか? 何が足りないの? 」
「 あっ
藤本先生は気を使わないで下さいね
ここまで案内してくれただけで
充分なんだから!
…でも意外だったなあ
正反対の二人が、同居してるだなんて〜 」
――― あの後
拘束されたまま、目隠しをされ
再び運び込まれたのは
なぜか覚えのない家具や洋服
だいぶ模様替えされてしまった
自分の部屋で
見計らった様に訪れたのは
… 俺がこの学校に入って来たのと同期
生徒人気一番の藤本・L・亮先生
―― まあ同期とは言っても
藤本は生徒達と、たいして年は変わらず
外国、
どこぞの大学を飛び級した、
考古学の天才らしい
担当は歴史
その藤本が
青戸リルカを伴いやって来たのだ
制服姿のままの青戸は
コンビニの袋からモヤシやら、
キャベツの入ったミックス野菜を取り出し
鼻唄を歌いながら、キッチンに向かう
「 … あんたが同居人なんて
今知ったよ 藤本先生
―― 監視役ってワケか 」