少女達の攻撃は激しく
窓が割れんばかりに、ガラスを叩き
車の上にまであがり
ドアのノブを、
ガチャガチャと無遠慮に引く





「 り、リルカ!!
一体どうしたらいい?!教えてくれ!

このままじゃ、
突破されるのは時間の問題だ!! 」



「 わ… わかんないよ!!

お、お菓子あるけど!! 」



「 菓子か!! 女の子好きだもんな!


――― よし! 貸してみろ! 」



リルカがカバンから出した
冬季限定と書かれたチョコを
バリバリと開けて、窓の外へと投げる






「 ――― どうだ?! 」



「 だ、ダメ!!一瞬見るけど 」



「 く…
知らない人からモノ貰っちゃいけませんて
親に言われて、貰わない世代か!! 」



「 ユウジ!! バックは?!

わ、私、
出たばかりのコスメバック持ってる!! 」



「 ――― ナイスだアキラ!!
こっちに貸せ!! 」






「 …… や、やっぱりダメ 」



「 ?! なんで!! 」



「 だって〜!!これ買うのに
朝からデパート並んだんだもの〜! 」




「 あ  アホかーー!!

そんな事言ってる場合じゃないだろ!

…見ろ!!
ちょっと見せちゃったから
奴ら目の色変わってるぞ?! 」



「 イヤアアア!!うああん!!

で、でもユウジだって!!
も、もしこの状況でも
コレクションしてるレコードとか
道に飛ばせ〜って言われて飛ばせる?! 」




「 ―― 当たり前だろう!!

おまえの命が掛かってるんだぞ?! 」