「 ―― あ、あった!! 」



リルカが床からサルベージしたのは
今、かなり売れてるグラビアアイドルの
初期に出した、露出度の高い写真集



「 あ! それダメですよ!!
もうこのコ売れてから、
全然脱がなくなっちゃって
かなり貴重なんですから!! 」


「 尚更いい!!

藤本!!カラ吹かししながら
クラクション鳴らしまくれ!! 」




心配そうにしながらも
ウンウンと排気ガスを吹き出し
クラクションを、立て続けに鳴らした



――― 車から、
少しだけ人が引いて行く



俺は窓を僅かに開けて、
まず、財布にあった小銭を、
ありったけ撒いた



「 何やってんのユウジ!!
節分じゃな―――― 」





…… 反応したのは主婦層

道路にはいつくばり
転がって行った五百円玉を
かなり奇妙な動き、

それでも前にいる人間を押し倒して
確実に追って行く




「 ――― よし!! 」





次には、とにかく表紙が水着とか
夜の案内系の雑誌を窓から見せつけ

注目が集まった所で、
ひたすら遠くへと飛ばす






「 お、男の人達が、い、移動してく… 」



ア然とする三人

俺はニヤリと ほくそ笑み、
自分の機転に高笑いした





――― しかし



「 で、
でもまだいっぱい残ってるよ?! 」



リルカが指差す先には


この時間、一番渋谷に溢れている
若い少女達の群れ ―――



「 …く、こいつらは…
一体ど、どうしたら… 」