「 ―― なんだよこれ… 」





マンションの二階
あれだけ降りしきっていた雪が
目に見える早さで止んで行く

道路向こうに立つ
隣の建物の姿が、見える様になった



数分後には
厚く立ち込めていた雲が割れ
その隙間から、光が射し始める


電線や屋根から落ちる、雪解けが
それに照らされ景色が眩しい



―― 子供の声




「 …わかって頂けましたか? 」



ふざけた感じの無い藤本の声
それを後ろに聞きながら

ただ俺は呆然と、
青に変わって行く 空を見た