「 おや

阿部先生だってそう思って
わざと冷たくしたんでしょう? 」


とにかく寒くて
飄々とした顔で腕を組む藤本を無視し
コタツに入って、茶を入れた





「 … 信じてないからな 俺 」



「 はい? 」




炊飯器を開け、飯を盛り
だいぶ水が出てしまった
野菜炒めのラップを剥がす



「 この時期の大雪

…そりゃ少し尋常じゃないが
あっておかしくはないだろう? 」



「 …レンジで温めましょうか? 」


「 …いいよ メシあったかいし 」





ひとしきり食って
学校からは休校の連絡




「 阿部先生
少し携帯貸していただけますか? 」


「 なんで 」



「 いいからいいから 」



ひょいと奪われ暫くいじると
すぐこちらに返して来た



「 ―― なんだよ 」




「 青戸さんに、赴任して来た時ムリヤリ
メアド、入れられてたでしょ?


その頃、
先生がリルカさんに送った内容 ――

"雪凄いけど、平気か?" って、
真似たメールを送りました


それだけです 」



藤本は微笑んで、

しばらくしてから
部屋のカーテンを開いた





「 ……… え 」