フィライド帝国っつったら、超遠いい辺境国じゃねーか……

何でそんな処に?

「さあな。 そこで質問だ。

ギルバート……いや、なげえな。

ギルって呼ばせてもらうぜ。

お前はあの日、礼拝堂にいただろう?

俺があの異端者にやられちまってから、一体何があった?」

こいつはフィルリアにやられてから、ずっと意識を失ってたもんな……

俺は苦々しい思いで、フィルリアの事、法皇がフィルリアに償い死を撰ぼうとした事、そこでティーナが法皇を撃った事、聖法杖の魔法によりフィルリアを庇った母さんが死んだ事、リリーが逆らって戦った事、俺の中の煌の力が目覚め、礼拝堂が崩壊した事……

俺は恙無く、思い当たる出来事を全て述べた。

母さんが死に、フィルリアふもどうなったか分からない。

どうしようもない不安にかられて、思わず大泣きしてしまった。

干乾びた地面だから、余計に零れ落ちた涙の粒が目立つんだ。

アイラは主人が亡くなった知らせに、暫くの間呆然としていたが、
俺が堪えながら泣いてるのに気づいたら、自分だって辛いだろうに、
頭を撫でながら励ましてくれた。

照れくさいけど、何だか嬉しかった。

絶対、守護隊長の名にかけて、聖国まで連れて行ってくれる、とも約束してくれた。

「うしっ! じゃあ先ずは街を探そうぜ。

こんな莫迦みてーにでけー空間が設けられてるんだ。

施設の一つや二つ、在るに決まってる。」

成る程……

確かにこんな広い地底都市を造っといて、荒野だけにしておくのも可笑しな話だもんな。

「それでだな、お前の煌の力、見せてくれよ。」

え……

何でだよ? あんな危険な力を??

「俺たちは仲間だぜ? 仲間の戦力くらい、頭に入れとかなきゃ、戦略がねられねえだろ?」

言い分が通ってるな。

流石、数千人もの部隊を束ねる、直属の守護隊長。

ってこいつに勝ったフィルリアはどうすんだか……