「誰だ……?」

黄色い目に、銀髪の男が、手から金色の焔を出している。

「俺……なのか?」

信じられない。

「ああっ……あ゛があッ」

うっ……胸が灼ける様に苦しい。

「ああがあ――――」

俺の手の焔が爆発する。

異たるところに暴発し、次々と木の柱が燃え、倒れる。

海色のステンドグラスが溶ける。

礼拝堂が崩壊しだす。

爆風に、見回れ俺は吹っ飛ばされる。

一遍に色々な事が起こって、もう何がなんだか分からなくなった。

「フィルリア!」

「ギルバート!」

手を伸ばして、お互いの手を取り合おうとした。

でも無惨にも俺達の手が交わる事は無かった。

寸前ですれ違い、次にはもう俺の意識は吹っ飛んだ。

『また逢おう――――』

声が聞こえる――――

最後に見た一片の赤い羽根は何だったのだろう――――










第一章 聖宿祭。 終