聖の悲鳴に、僕は胸騒ぎを感じた。

彼女の身に、一体何があったのだろう?

「聖!?」

僕はここが職場であることを忘れて叫んだ。

もはや、仕事なんて関係なかった。

それよりも今は、聖のことが気がかりだった。

「――助けて…!」

聖の声が言った。

電話の向こうに聞こえるのは、激しくドアをたたく音だった。

そして、聖の泣きそうな声も聞こえた。

一体、聖の身に何があったって言うんだ…!?

「――春海、助けて…」