そこまで言って、奈津子おば様は聖に視線を向けた。

「――彼女は、一体おいくつなのですか?

少なくとも、春海さんよりも年が下でしょう。

その子と春海さんを夫婦に迎えるのは…」

そう言った奈津子おば様に、僕は息を吐いた。

要するに、世間体か。

僕が若い聖を妻に迎えたら、世間は不審な目を僕たちに向けることだろう。

結局は、世間体が大事なのだ。

愛しあっている僕らの気持ちよりも、周りの目が大事なのだ。

「――帰れ!」

突然声を荒げて怒鳴った僕に、訪問者たちはビクッと躰を震わせた。

腕の中の聖は心配そうに、僕を見つめてきた。