「春ちゃん」

聖が僕のことをそう呼ぶたびに、僕の胸が締めつけられた。

そして、実母と重ねてしまう。

日に日に、聖への思いは増して行く。

子供の聖に抱くこの思いは、特別以外の何ものでもない。

僕は、どうして聖に恋をしてしまったのだろう。

僕の気持ちなんて何も知らない純粋な彼女に、僕の思いは日に日にエスカレートして行った。


「――ッ、はっ…!」

たった今見た夢に、僕は思わず飛び起きた。

呼吸が荒い…。

まるで激しい運動をした後みたいだ。

荒い呼吸のまま、僕は隣で眠っている聖に視線を向けた。