それに…よくよく考えて見れば、僕はこんな小さな女の子を誘拐しようとしていないか？

いくら何でも、犯罪者になるのはごめんだ。

ジョーダンだと口を開こうとしたその時、彼女は首を縦に振った。

えっ？

一瞬、見間違いかと思った。

「――一緒に行きたい…」

次に彼女の唇からこぼれた言葉に、僕は戸惑った。

ほとんど無意識のつもりで言ったことだったのに。

まさか、肯定の答えが返ってくるとは予想外のことだった。

「連れてって」

僕からの言葉がないことを不安に思ったのか、彼女が言った。

その瞬間、僕は答えを決めた。