あなたしか見えないから。

あなたがいないと、私は生きられないから。

「――春海…」

指通りがよさそうなサラサラの黒髪も、透き通るほどの白い肌も、私のもの。

長いまつ毛も、切れ長の二重の目も、鮮やかな赤い唇も、筋肉質だけど細い躰も、骨張っている大きな手も、全て私のもの。

あなたしかいらないの。

あなた以外の男の人はいらないの。

「――ッ、聖…」

「――春海…」

乱れるその吐息も、私のもの。