「仕事が大変なのはわかりますけど、連絡くらいはくださいね。

みんなも心配しているのですから」

「――はあ、すみません…」

世話好きで心配性なのは、僕にだってわかっている。

でも時々、それが嫌に思う時がある。

「あの、そろそろ失礼してもよろしいでしょうか?

仕事から帰ってきたばかりなので、疲れているので」

そう言って電話を切ろうとした僕に、
「あら、すみません。

でも、春海さん」

僕は嫌な予感を感じた。

聖の顔に、心配の色が増した。

「あなた、いつご結婚なさるおつもりなの?」