秘密はウソを重ねて行くことにより、濃厚なものへと変わって行く。

それは聖と過ごして、共有してきた時間みたいに。

何度も躰を重ねて行けば行くほど、濃厚なものへと変わって行く。

隠してる?

そんなつもりはない。

僕は、聖と共有していたいだけだ。

秘密も、時間も、何もかも――僕は彼女と全て共有していたいだけだ。


その日の夜のことだった。

「ただいま」

「おかえりなさい」

聖が僕の手からカバンを受け取った。